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坂本花織 七夕の短冊に書いた「打倒ロシア」 浅田真央以来のメダルへ17日出陣 - スポーツ報知

 15日のフィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)で坂本花織(21)=シスメックス=が自己ベストの79・84点をマークし3位スタートを切った。前回の平昌大会で6位入賞した2018年に七夕の短冊に書いた願いは「打倒ロシア」。17日のフリーで3強の牙城を崩し、10年バンクーバー大会銀メダルの浅田真央以来4人目の日本女子表彰台を狙う坂本の素顔を、ひょうご西宮アイスアリーナの西口智寛支配人(43)が語った。

 パーフェクトなSPを演じた後、坂本はしばらく放心状態だった。それほどまでに追い込まれていた。

 「膝の震えが止まらないくらい緊張していた。ロシアの3人と一緒の場所で滑ることが怖かった。始まる前から泣きそうだった」

 中野園子コーチの顔を見ると、安堵(あんど)の涙がこぼれた。

 一夜明けた16日の練習では精彩を欠いた。理由は明快。睡眠不足だ。「アドレナリンが出過ぎて6時まで眠れなかった。ビックリ。今日中にリセットしたい」。心身を整え、ワリエワ、シェルバコワ、トルソワの「ロシアの壁」を突破する。

 2018年平昌五輪で6位入賞した。その年の夏。オレンジの短冊に書いた願いは「打倒ロシア!」だった。

 坂本が今も拠点の一つにしている「ひょうご西宮アイスアリーナ」がオープンしたのは13年8月。西口さんは翌年から七夕に竹を飾り、生徒に短冊に願いを書いてつるすように伝えた。中学生だった坂本は「全日本1位」と書いた。「毎年『坂本花織』ってデカデカと書く。中学生の頃って恥ずかしがる子も多い。恥ずかしいより、勝ちたいという意識の方が強かったんでしょう。18年夏には『打倒ロシア』とはっきり書いた。頼もしいです」

 西口さんは支配人になる以前、今でも坂本が通う尼崎スポーツの森で働いていた。小学生低学年の頃から見守ってきたことになる。「元気がよくて。あの人懐っこさは子供の頃から」。練習終了までの最後の5分間は、生徒は練習でできた氷の穴を埋めて回る。氷を渡す担当だった西口さんに「おっちゃーん」と寄ってきて、一生懸命ペタペタと補修するような子だった。

 「面倒見も良くて、年上にも年下からも好かれるタイプ。オリンピアンになっても変わらない」。人間力は坂本の魅力の一つでもある。練習中の光景に、それを感じることが多いという。「ジャンプの練習をしているときに小さい子が視界に入ってくると、集中できずにいら立ちを見せる選手もいる。でも彼女の場合はいっさいそれがない」

 1月1日に「ハッピーニューイヤー!」と滑りに来た。坂本の本気を感じたという。「本人に言ったことはないけど、シングルでメダルを取ってほしい。届くチャンスがあるんだから」。西口さんは今も、4年前の短冊を大切に取ってある。真冬の北京で七夕の願いがかなう。(高木 恵)

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