これは大変な負けよ…。阪神岡田彰布監督(66)が激怒した。ヤクルトに4点差をひっくり返され、まさかの逆転負け。6月15日以来、半月ぶりに4位転落でBクラスだ。5失点した8回は、救援陣の準備不足により指揮官のイメージ通りの継投ができず。9回は代走植田が本塁憤死しゲームセット。怒りの矛先は安藤、久保田の両1軍投手コーチ、三塁コーチャーを務める藤本内野守備走塁コーチに向いた。

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神宮に降る小雨が、雰囲気の重さに拍車をかける。貧打に泣く打線が13安打で5得点。盤石のリリーフ陣に試合を任せればうまくいく-。そんな想像は甘かった。ショッキングな逆転負け。岡田監督は、ただの1敗ではないと強調する。

「1つの負けですまんよ。大変な負けやで、こんなん」

4点リードの8回に投入したのは桐敷。1点を失い2死一、二塁でサンタナを迎えると漆原にスイッチしたが…。「漆原なんか投げさすつもりなかったよ。ゲラと岩崎が(ブルペンで準備を)やってないんやから。なんで、準備せえへんのやろうな」。

ここで指揮官の頭にあったのはゲラの起用。サンタナにぶつけるつもりだった。「ゲラいくぞ! って言うたら『漆原しかやってません』って」。ベンチの安藤投手コーチとの会話を回想すると「何があるか分からへんやん。なんで準備せえへんのやろ」と続けた。

一方、島本はいつでも登板できるよう準備を進めていたが、前日に2回を投げていた。「今日投げさせる予定なんかないピッチャーやんか」とバッサリ。「教育やなぁ、しかし。そこまで全部(監督が)やらなあかんねんなぁ」。ベンチにいる安藤投手コーチとブルペンを預かる久保田投手コーチの連携不足、想定不足に怒りが収まらない。結局、漆原は2死満塁で長岡に3点適時二塁打を浴び、同点に。十分な準備だったとは言いがたい岩崎に代わると、2死一、三塁で代打山田に決勝打を浴びた。

1点ビハインドの9回2死一塁では、佐藤輝の左越えの当たりに一塁走者植田が本塁を狙ったが、中継プレーで本塁タッチアウトにされた。本塁突入を判断した三塁コーチャーの藤本内野守備走塁コーチに対しては「信じられへんわ。状況判断やんか。当たり前やろ、こんな狭い球場で」。貯金0で4位転落。重い空気のまま、7月2日の首位広島戦に臨むことになった。【中野椋】

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